パンを売らない罪
朝目がさめてすぐ、ベッドのなかでニュースをねぼけなまこで読みます。良いニュースであれ悪いニュースであれ、自分が寝ていたあいだも世の中が動いていたということに安心し、そして頭が動き出したかな…というところで心地よく起き上がるのが常ですが、たまに意味不明なニュースすぎて頭が一気にフル回転しようと動き出してまうことがあります。
たとえば、今日のニュース。
「第12週目のデモにかかわる話題:
警察官にパンを売らなかったパン屋、書類送検される」
? 見出しを一瞥しただけでは全然がわかりませんでした。
詳しい内容を確認すると、
デモの最中、武装した警察官がパン屋に入ってくる
店員が「武装した状態で入らないでください」と言う
警察官「はあんた武器が見えるわけ?見えないからいいでしょ」と答える
店員「いや目につくつかないの問題じゃなくて武装した状態で入らないようお願いしているんです」
警察官「もういいわ他の店で買うから。」
ということのようでした。
パリ警察組合の意見:「これはショックな出来事です。パン屋は我々のことを破壊活動者と同じように扱ったわけですが、同時にパン屋の窓ガラスが割られたりしないよう警備してるのは我々警察なんですよ。」
パン屋の従業員たち:「店長が対応してるのを聞いてましたけど、店長はただ武装した状態での入店禁止と言っただけであって警察官に販売したくないとは言ってないのに、『パンを売らなかった罪状』で犯罪履歴につくのは納得いきません。」
(ただし店長は会話の最後に中指を立てたという話もあるのでなんともいえません…)
と同時に発表してあり、これはなかなか難しそうな事件だな……と思いました。
パン屋という伝統的に保護されている商売(医者が治療を拒否できないように、パン屋は誰にでも売らなければならない)なので、この書類送検がどう捉えられるか難しそうです。
ものすごくものすごく個人的な小話ですが、ここの店ってたしかキッツイ性格の日本人の奥さんがオーナーだった気が…笑。