Mémento homo1
あることで有名な墓地の入り口です。
レンヌルシャトーという南フランスの慎ましく小さな農村の若い司祭はある頃から地図を片手に村のあちこちの丘に登っては掘るようになり、その熱意は何か隠された財宝でも探しているかのようだった。
その村は古代都市カルカソンヌに近いことから、村人たちは、司祭とは結婚できる立場でもなし、こんな田舎では時間を持て余して考古学にでも興味をもったのだろうと特に関心を示すこともなかったが、ある日を境に司祭は人が変わったかのように私財を投げ打っては教会、聖母に捧げる塔、大きな屋敷、はては植物園に小さな動物園まで建て始めた。
そんな資金があるような豊かな村でなし、村人達は気味悪がったが、この美しい司祭はカトリック本部と強いコネクションがあるので、そこから資金を得ているのだろうと推測で自分たちを納得させていた。
(明日に続く)