海のロランティーヌ

南フランスの美しい風景、レシピ、それからフランスの今…

薔薇のこと

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午後のティータイム、夏日でしたので日向にいるだけで汗をうっすらかくような1日でした。

 

 

初めて薔薇の苗を買って育てたのは、11歳の時でした。以来、趣味は園芸です(ガーデニングという言葉はまだ一般的ではなかったと記憶しています)といっては大人から怪訝な顔をされていた私にとって、 パリとパリ郊外に住んでいる時、いちばん嫌だったことは、あのアパルトマンスタイルの生活のために薔薇がない暮らしをせざるを得なかったことです。仕方ないので、週末にノートル・ダムの裏にある marché aux fleurs で(これならなんとかバルコニーに置けないか?)と花屋を逡巡しながら、結局諦めて一輪、切り花になっている薔薇を買って花瓶(ですらない空き瓶)いけたのをただ眺めるだけ、という暮らしをしていまた。

 
いま、この村に来て本当に幸せを噛みしめる瞬間は、庭の薔薇が静かに、でもいつも咲いているのを見つけるときです。もちろん咲いているシーズンに限りますけれど、朝庭をでても、昼出ても、花は何も言わずに見返りも求めずにただ静かに咲いている。その無言の美しさに、日本にいた時の自分が育てていた薔薇たちを思い出すのです。



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